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X-MEN: フューチャー&パスト

『X-MEN: フューチャー&パスト』
やっぱりX-MENはブライアン・シンガーだな!

私はこの『X-MEN』の1作目と2作目がことのほか好きで、特に一作目のウルヴァリンとローグの、一見魅惑的なギフトである超能力が呪いでしかないというテーマ性に完全にやられてしまったのであります。
1作目や2作目は、今に比べたら少ないですが、あれだけ次々登場する登場人物たちのキャラクター性が実に丁寧に描かれてるのも凄いな、と。
監督が替わってしまった『X-MEN: ファイナル ディシジョン』はストーリー的にはあれで妥当なんだろうけれど、演出なんかでどうしても納得いかないと言うか、無かったことにしたかったという作品で。
(主に予算の問題で)どうにも続けることが出来なくなってしまったので作り上げた過去編、『X-MEN: ファースト・ジェネレーション』も、脚本から見るとなかなかどうして悪くないんだけれども、どうしても各キャラクターの作り込みや演出が軽すぎるという印象がぬぐえないんですよ。
1作目と同じ事をやってるのに、マグニートーの苦しみがどうにも伝わってこない!
当時テレ東の深夜にSHOWBIZTODAYと言う番組がやっていたんだけれども、あの番組はどうもブライアン・シンガーがSFを作ると言うだけでdisりまくっていて、毎回のように『X-MEN』を「下手くそなクセにSFばかり作る能無しブライアン」という発言を繰り返しやっているのを苦々しく見ていました。

ブライアン・シンガーのX-MENを超えてみろや!

そんな中でやっとブライアン・シンガーがX-MENに帰ってきてくれました!
今回は実に大変な脚本なんです。
1作目から始まり、ウルヴァリンはソロデビューしてしまった中、その全てを何とかまとめたストーリーを作り上げたわけですから。
完全にこれまでの作品をまとめられるようなものは「物理的に存在しない」ワケですから、今回はもうほぼベストと言えるほどのまとめ方でした。
ほぼって言うのは、あの脚本だと過去作品にミスティークが存在すること自体がおかしくなるとか、プロフェッサーが3作目で別の人の身体に乗りうつったはずなのにしれっと今までのプロフェッサーになってるとか、です。
あそこは無理だったんだね(笑)。

今回の話は、絶望的な未来という時間軸を何とか修正しようと過去にウルヴァリンが飛ぶ、と言う内容。
まぁ、なんだかんだ言ってブライアン・シンガーのX-MENは彼が主役だよね。
話の比率は、過去7に未来3くらいかな?
驚いたのは、壁をすり抜けるだけっていう役に立つか全く分からないがエレン・ペイジが可愛いというだけで私大推薦のキティが、能力的には最も重要で画面にもいっぱい出てると言うことでした。
どうもこのすり抜けるという能力が、色々解釈をすると過去へ意識を飛ばせるのと同じ事らしいです。
ホンマかいな!
それでまぁ、過去に行って前作『X-MEN: ファースト・ジェネレーション』の面々と相対するわけですが、前作で「失せろボケ」と言ってウルヴァリンに追い払われたことをしっかり覚えてるプロフェッサーの若きころの陰湿な性格が笑えます。
ここで実に役に立つ能力のクイックシルバーと言うミュータントが登場するんですけど、ウルヴァリンは彼と知り合いみたいなんですが、出来ればここは過去作に登場してきたミュータントがよかったですね。
何故かというと、この映画は過去の映像がちょくちょくフラッシュバックされる構造で、まさに全X-MEN映画の集大成だからです。
新キャラクターも良いんですけど、ここは知ってる方がよかったと思います。
とは言えこのクイックシルバーの能力の凄まじさと彼の性格の面白さはちょっと素晴らしいので、今後に期待したいキャラですね(ちなみにアヴェンジャーズ側にも同じくクイックシルバーは登場します)。

でまぁタイムスリップものの映画はだいたい時間の流れは一本というものが多いですが、一応そうじゃないという意見も入れつつ、この映画でも時間の流れは一本という設定です。
つまり過去へ戻って流れを変えれば、未来も変わると言うことですね。
これが最後かなりギリギリの戦いで、未来においてほぼミュータント全滅寸前ってところで過去を変えることに成功するワケなんですよ。
あれだけのパワーを見せていたマグニートーやストームですら命を落としていく展開は本当に辛い。
何故お前がそこまで優遇されるんだ?のコロッサスが結構活躍します(笑)。
他にも数人のミュータント登場するんですけど、上記した、前作でもあったような次々出てくるだけでなんか軽い感じがするって言う印象がないんですよね。
この辺がブライアン・シンガーの腕なんだなーと感じるところです。

で、その最後。
過去に戻りミスティークを助けることで未来は変わります。
ウルヴァリンが気が付くと、プロフェッサーのミュータント学校でした。
今回アイスマンのボビーは何故かキティと良い感じになっていて、あれ?ローグは?って思っていたんですが、未来が変わっていることで再びローグといい仲になっています。
あれ?能力無くしたんじゃね?って思いますけど、どうも『X-MEN: ファイナル ディシジョン』のオチの意味は、あの薬そんなに効き目が長続きしないってコトらしいです。
でもこの辺ハッキリ分からなかったんですけど、見た人によればローグが手袋をしてなかったらしいので、それならそれで薬の効果があるってコトで「?」となってしまいますね。
私は手袋してたような気がしますけど。
本当にチラッとしか出ません。
ところでこのローグ役のアンナ・パキンですが、エンドクレジットで結構上位に来ています。
たった数秒しかない出演で何故に!?と大いに疑問ですな。

続いて、なんとジーン・グレイ!
『X-MEN: ファイナル ディシジョン』でなんか縦横の比率が間違ってないか?みたいな感じに撮られていたのに、今回は1作目2作目で見せた凄まじい美人の彼女が帰ってきた!
そしてその彼女を懐かしそうに、そして愛おしそうに触ろうとするウルヴァリンの手を「オイオイ、それ以上触るとぶっ殺すよ?」とサイクロップスが!
やった!彼も帰ってきたよ!
もうね、全てが終わって未来が希望に満ちた素晴らしいものになったという展開に、感動を超えて鳥肌もの。
オリジナルメンバーが出てくるたびにゾクゾクと震えちゃいました。
ちなみにジーンとサイクはカメオ扱いで、エンドクレジットにも出てきません。
アンナ・パキンと何が違うんだ!こっちはセリフまであるのに!
 
とにかく今回は本当に素晴らしい集大成でしたよ。
ギャラの問題でなかなかオリジナルメンバーでの続編が難しくなっていく中、これまでのオリジナルメンバーをリスペクトしつつ、新たな展開を可能にする一作になっているんじゃないかと。
もちろん「あれ?じゃあブラザーフッド側のメンバーはどうなってるの?」という疑問も残るんですが、ここら辺が続編に上手く繋げるための演出なんじゃないかと思います。
過去を変えるために未来から来て頑張ったウルヴァリンですが、結局最後の最後は水に沈められてなにもしてなかったじゃねえか!と言う可哀相なことになってしまいましたが、その辺を何とかうやむやにしつつも次のために残した感じが。
ここは今回もう1人の主役であるミスティークが持っていくというオチもありますが。


まぁとにかく、ブライアン・シンガーのX-MENが戻ってきた上に、何となく納得しなかった彼以外の監督作品も上手くまとめて傑作にしてくれたと言うことですよ。
そしてなおかつ可愛い可愛いキティがほぼ主役と言うこともありーの。
2時間以上もありますがそれを感じさせない長さ、しかし詰めたのにちっともはしょった感がない絶妙な脚本。
本当にファンでよかったという一本です。
次回作もあるみたいですけど、楽しみだなー!
またブライアン・シンガーで撮って欲しいなぁ!
 
by zanzoku1200s | 2014-06-03 00:26 | ア行 | Trackback(2) | Comments(0)
Tracked from ここなつ映画レビュー at 2014-06-05 13:48
タイトル : 「XーMEN フューチャー&パスト」
アメコミづいてますな。という訳じゃないんだけど。このシリーズの「ファースト・ジェネレーション」が思いのほか面白く、結構好きになってしまったから。スピンオフの「ウルヴァリン」も良かった。なかなか、っていうか全然死なないんだもんなあ〜、ヒュー・ジャックマン。ま、そういう設定のミュータントなんだけど。 そう、様々な設定のミュータントが、極めて面白い。好き好き、大好き。「面白い」のはちょっと滑稽だったりもする。けれど、滑稽ではなく哀しみを伴うものもあり。出来の悪い猫の親分のように、ついついジャキン!...... more
Tracked from gala at 2014-06-20 19:59
タイトル : X-MEN:フューチャー&パスト
《X-MEN:フューチャー&パスト》を観てきました。 X−MENシリーズは、最初からずーと観ているので、この作品もやはり気になった。 ミュータントの物語はドラマ性が前面に出てくるので面白い。 ミュータントキャラが人間以上に人間っぽい。 可笑しな話だけど。 前回はヒーロー、ヒロインのミュータントの犠牲によって世界は救われるというかなり悲劇的な結末であり、私のような不埒なファンにとっては、ミュータントの犠牲によってこの世が救われるくらいなら、絶望的なこの世がなくてもいいかなどと思った...... more


見た映画メモ用。忘れっぽいので。感想はテケトー。基本ネタバレ。


by zanzoku1200s

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